ころがり軸受
●種類
荷重の方向により
○ラジアル軸受とスラスト軸受がある。
転動体の種類により
○玉軸受とコロ軸受がある。
●グリース潤滑と油潤滑の比較
項目 |
グリース潤滑 |
油潤滑 |
ハウジング構造 |
簡略化できる |
やや複雑になり、保守に注意が必要 |
密封装置 |
|
必要 |
回転速度 |
許容回転数は、2000rpmまで |
高い回転速度にも使用できる |
冷却作用、冷却効果 |
なし |
熱を効果的に搬出できる
(循環給油法の場合など) |
潤滑剤の流動性 |
劣る |
非常によい |
潤滑剤の取替え |
やや複雑 |
比較的簡単 |
ごみのろ過 |
不可 |
容易 |
潤滑剤の漏れ汚染 |
漏れによる汚染が少ない |
油漏れによる汚染を嫌う箇所には不適 |
●ころがり軸受の取付けのポイント
軸受は寸法精度が非常に高いものであるため、その取付け時にも次のような細やかな配慮が必要です。
1)圧入作業
圧入作業では、玉やころに直接力を加えないことが大切で、圧入する軌道輪自体になるべく均一に力を加えて押し込みます。治具を使用して、油圧やねじによって徐々に静かに圧入します。ハンマーなどで無理に押し込んだり、打撃を加えると組込み傷や割れを生じることがあるので、絶対に直接軸受を打つことは避けましょう。
2)焼きばめ
一般的には80~100℃で十分です。軸受を120℃以上に加熱すると、軸受が焼き戻されて硬度低下の原因となります。また、振動の発生を嫌う機械では100℃の焼きばめ温度を守ります。
3)与圧
適正な与圧をかけて使用するようにします。与圧の方法には、スぺーサーやシムを使用して与圧を与える定位置与圧(剛性を高める)と、コイルばねや皿バネなどを利用して一定の与圧を与える定圧与圧(高速回転用、軸方向の振動防止用)があります。
与圧量や与圧方法については、専門家に相談をお勧めします。
4)試運転
取付状態の確認は、できるだけ手回しをして回転状態を確認する。無負荷または負荷で低速、次第に高速回転にします。
試運転時間は、2時間以上とし、その間、軸受の音響に注意しながら、軸受温度を5分間隔で測定、記録する。また、基準限界温度は外気+25℃で、60℃を超えないようにします。
●軸受運転開始時の注意
始業時には30分程度低速域での暖気運転を行う。オイルミスト、オイルエアーを使用の設備は、長期休暇後の運転開始時はオイル潤滑を十分に行った後回転を低速域から開始する。