機械保全に役立つ豆知識をご紹介しています。
種類 | すべり軸受 | ころがり軸受 |
許容荷重 | 軸受の大きさの割に大きい。 | 軸受の大きさの割に小さい。 |
高速性能 | 一般的に有利。ただし冷却が必要。 | 転動体、保持器などがあるので一般的に不利。 |
低速性能 | 一般的に不利。ただし静圧軸受など非常に有利。 | 一般的に有利。 |
摩擦特性 | 一般的に有利。大荷重の場合には特に有利。 | 比較的有利。 |
寿命 | 取扱いがよければ半永久的 | 転動体通過により疲れ剥離が起こる。 |
剛性 | 一般的に有利。 | 一般的に有利。 |
耐衝撃性 | 非常に有利。 | 一般的に有利。 |
騒音 | 一般的に静粛。 | 一般的に発生しやすい。 |
高温・低温特性 | 一般的に不利。 | 一般的に有利。 |
潤滑…保守 | 一般的に不利。 | 普通はグリースが使えるので簡単。 |
互換性 | 不利。 | 規格化されているので有利。 |
構造 | ジャーナル軸受ではスラスト受けが必要。 | ラジアル軸受でスラスト荷重も支持できる。 |
形状 | 直径小、幅大。 | 直径大、幅小 |
損傷 | 原因 | 対策 |
1)片当たり | 工作精度不良 | 仕上げ精度(あらさ、真円度、真直度)、仕上げ寸法の誤差を検討 |
組立て精度不良 | 軸と軸受の中心を調整する。 | |
剛性不足(弾性変形) | 軸を硬くする、荷重を減らすなどの検討 | |
2)摩擦 | 異物 | 潤滑油の交換、確実な洗浄、十分なフィルターの採用、異物混入防止、硬い軸の採用。 |
境界潤滑、低粘度 | 油圧、油量を増す、高粘度油の採用、油温を下げる(粘度、油膜厚さの確保) | |
軸あらさ | 軸あらさの改善 | |
軸と軸受材質の組合せ不良 | 互いによく合う材質の選定、軸を硬くする。 | |
油みぞの不適当 | 圧力の低いところにつける | |
潤滑不十分 | 油圧、油量の確保、潤滑系統の点検 | |
3)過熱 | 油膜が不十分 | 軸受すきまの増加、低粘度油への変更、油みぞを広げ、油穴を大きくする。油みぞの面取り(r)を大きくする。油圧を上げる。 |
すきまが小さい | 適当なすきまにする。 | |
外部からの加熱 | 油を冷却する。通風をよくする。 | |
4)焼付き | 1)~3)項の原因により焼付きに至る場合がある。 腐食性物質の生成 |
境界潤滑、固体摩擦の状態にしないこと 1)~3)項の対策を参照。 |
5)腐食 | 腐食性物質の生成 | 潤滑油の劣化防止(有機酸の生成) 耐食性メタル材質の検討 |
水分 | 混入原因の除去 | |
6)疲労 はく離 |
荷重が大きい | 設計見直し(軸受面積を広くする、軸受強度を増す、荷重を下げる、耐荷重性の材質を用いる) |
軸受の変形 | 強度を上げる、ハウジングの剛性を検討する。 | |
温度が高い | 油圧、油量を増す、すきまを大きくする、粘度を下げる | |
振動 | バランスの改善、振動源をなくす。 |