●シールの定義
JISでは「互いに接触した部分の間から流体の漏れを防ぐ機械要素をシールと呼び、そのうち静止部分間に用いられるものをガスケット、運動部分に用いられるものをパッキン」と定義されています。
●シールの分類
シールは、1)接触する部分の運動状態 2)シール対象の流体 3)接触面の状態 によって選択します。大まかな分類をすると、下記表の通りとなります。
●シールの損傷原因
一口でシールの損傷と言っても、はみ出し・ねじれ・切断・早期摩耗など色々なケースがあります。
損傷が起こった場合の原因として以下を参考にしてください。
1)シール構造・シールタイプの選定に問題はないか?(専門メーカー様に問い合わせてください)
2)シールの材質と流体との相性はよいか?
3)クリアランスの設定値が適正か?(Oリングの潰し代・シールのリップ押しつけ量など)
4)運動速度は適正か?(推奨条件よりも早い速度で軸回転していないか)
5)リップコンタクト部の表面処理・面粗度はよいか?
損傷原因は使用環境によって大きく左右されます。専門メーカー様へ相談することをおすすめします。
適切なシール構造は、設備稼働率を上げ、メンテナンス費用の削減につながります。
●オイルシールの挿入法
・金属環付オイルシールの場合
相手側に対して若干大きめになっている。(振動によるシールの外れを防ぐため)
ハンマーで直接たたいて入れない。
金属環の変形を招き、それによってシール部も曲がり漏れの原因となる。
シールを直接たたかず、平板などをあて軽くたたく様にするとよい。
Oリングには少しグリースを塗る。
Oリングが外れない様に少しグリースを塗ってはめこむと入れやすくなります。
バックアップリングを使用するときは、内側のエッジ、向きやつなぎ目に注意して下さい。
・ガスケットの使い方
ガスケットには、圧縮後の復元によりシールするため、復元力が弱ければシール効果が得られなくなります。選ぶガスケットの厚みに注意!